「転職したけど失敗したかもしれない」
「この会社、ハズレだったかな?」
「転職してすぐ辞めるのってやっぱりダメなのかな……」
このようなことでお悩みではないですか?
この記事では、転職で失敗しやすい人の特徴や失敗した時の対処法についてご紹介します。
最後まで読むと、あなたの転職が本当に失敗なのか、そして今後どう行動すべきかという疑問が解決します。
転職した人の離職率はどれくらい?
大手転職サイトなどを運営する「ビズリーチ」の独自調査によると、中途採用者、つまり転職した人の3年内離職率は約39%だそうです。
特に35〜39歳で正社員として転職した人に限定すると、約半数の人が3年以内に再転職の道を選んでいるということも発表され話題になりました。
厚生労働省が2023年に発表した「新規学卒就職者の離職状況」によると、新卒での3年内離職率は高卒者で37%、大卒者で32%です。
新卒者よりも転職した中途採用者の方が離職率が高い、つまり定着率が低いことが分かります。
転職失敗した?転職後のあるあるパターン5選
なぜそこまで多くの人が「転職に失敗した」と思ってしまうのでしょうか?
本章ではよくあるパターンを5つご紹介します。
失敗例1:業務内容が聞いていたものと異なる
非常によく耳にするのが「転職面接・面談のときに聞いていた業務内容と、実際に採用されてからの業務内容が異なっていた」というケースです。
決まった取引先とのルート営業だと言われて入社したが、当然のように新規開拓営業も担当させられた
事務職として入社したはずなのに、最初は「今回だけだから……」とテレアポ営業の手伝いを頼まれ、気が付いたらすっかり営業の方がメインになっている
専門技術職として採用されたはずなのに、入社後すぐに事務員が辞めてしまいその後の補充がなく、結局事務作業も自分でやらざるを得なくなった
想像していた仕事内容と現実があまりに乖離していると「なんで!?」と思いますよね。
失敗例2:給与・勤務時間など待遇面が事前の説明と違う
給与や残業の有無など、待遇面において「失敗した」と感じる人も多いようです。
ボーナス有りと言われていたが「今期は業務実績が悪かったため無しで」と言われた
「残業はほとんどない」と言われたけれど、実際にはほとんどの社員が残業していて帰れる雰囲気ではない
会社での残業は確かに少ないものの、実際には皆PCを持ち帰って自宅で仕事をしていた
給与も労働時間も、転職先選びの際に重視する人が多い項目です。
企業側もそれを分かっているから、入社前には現実とは違うことを伝えてくるのでしょうが、転職者側からしたらたまったものではありませんね。
失敗例3:社風や人間関係が自分に合わない
転職において退職理由の真のナンバーワンは人間関係と言われています。
「家庭の事情で…」「スキルアップのために」などと表面上は言いながら、人間関係が原因で会社を辞める人は後を絶ちません。
前職とはあまりにも社内の雰囲気がまったく違ってなじめない
面接担当者は穏やかだったのに現場の社員にはパワハラ気質の人が多くピリピリした空気が漂っている
直属の上司とどうしても合わずに日常の業務が苦痛なうえに、異動の申請も却下された
会社で働く以上、他の社員との関わりは避けて通れません。
それなのに、雰囲気や人間関係が悪かったら「ここに来たのは失敗だったかも」と感じてしまうのは当たり前です。
失敗例4:求められるスキルについていけない
中途採用では最初からある程度「即戦力」として活躍されることが期待されます。
しかし、思っていたよりも転職先企業の業務レベルが高く「ついていけない」と感じる人が多く見られます。
原因としては以下のようなものが考えられます。
・業務の進め方や社内文化の違いに慣れていない
・想定よりも業務で求められるレベルが高い
・異業種転職で、業界全体に関する知識やスキルが不足している
また、会社側が中途採用者に対する教育システムを構築しておらず、いきなり現場に投入されることで戸惑いを感じることも「ついていけない」と感じる原因として挙げられます。
失敗例5:前職の方が働きやすかったと感じてしまう
失敗例3、4と関連するかもしれませんが、人は基本的に環境の変化を嫌う生き物です。
現状維持バイアスという心理学の用語を聞いたことはありますか?
人間は誰でも「できれば今の環境から変わりたくない、未知のことに取り組むのは怖い」という心理を本能的に抱いているのです。
転職は社会人にとって間違いなく大きな環境の変化ですから、どんな人でも少なからず不安やストレスを抱えた状態になります。
そのため、何か嫌な思いをすると「前の職場だったらこんなことは起きなかったのになぁ」とつい後悔してしまうのです。
すぐ辞めるのはNG?転職に失敗したときの対処法
「転職に失敗した」と感じた人が次に抱くのは「今すぐ辞めてまた転職をやり直したい」という思いでしょう。
しかし、世間一般では「短期離職は次の転職で不利になる」とされていますし、あなたもそれは分かっているはずです。
だからこそ、すぐに辞めてもいいのかどうかを悩んでいるのですよね。
本章では「転職に失敗した」と感じたときの対処法をご紹介します。
失敗したと感じている原因を分析する
まずは、自分が「転職に失敗した」と感じる理由をきちんと整理、分析してみましょう。
そして失敗してしまった原因がどこにあったのか、自身の転職活動を客観的に振り返ってみることが重要です。
例えば、転職したいという気持ちが先走ってリサーチ不足だったり、内定をもらえたことで安心して、雇用契約書を細部まで読まずに内定承諾をしてしまったりというケースが多く見られます。
転職失敗の原因は会社側にもあるかもしれませんが、残念ながらあなた自身にもあるはずです。
冷静に分析し、今後の動きを考えていきましょう。
基本的には今の職場で経験を積むのが無難
日本社会において、あまりにも極端な短期離職はやはりリスクになります。
「うちで採用してもまたすぐに辞めるのでは?」と思われてしまうのです。
採用する企業の立場からすると、社員を一人採用する際には多大なコストがかかっています。
・転職サイト経由で採用した場合には成果報酬を支払う必要がある
・入ってきた社員を一人前にするまでの教育費がかかる
・PC等の備品や場合によっては制服など、新入社員のための準備費もかかる
それだけに、企業側は短期離職者を嫌います。
よって「転職失敗したからすぐに辞める!」と決断するのは早計であるといえます。
いつか転職をするつもりであっても、しばらくは今の職場で経験を積んでおくのが無難です。
継続・転職いずれにせよ自分のスキル磨きは必要
今の会社で勤務を続けるにせよ、辞めて再転職の道を選ぶにせよ、現状維持のままでは苦しい思いをする可能性が高くなります。
自分のスキルを冷静に振り返り、どこを磨いていくか方向性を定めてみるのがおすすめです。
スキルアップを図ることで今の会社での扱いが変わり、居心地が良くなるかもしれません。
また、再度転職することになったときにも「前職在職中にこれだけの成長をしました」とアピールする材料になります。
周囲の人に相談してみる
「転職に失敗したかも」と思いながら日々を過ごすのは辛いことです。
辛い気持ちは溜め込まずに、周囲の人に相談してみましょう。
私も実際に「失敗したかも…」と落ち込んでいる友人の相談を聞いたことがあります。
ところがこのケース、じっくり話を聞いていくうちに、友人自身が途中で「環境の変化に戸惑っているだけで、労働条件はかなり良くなっている」という事実に気が付いたんです。
結果として友人は気持ちを切り替えて、今でもその会社で働いています。
自分の気持ちや考えを整理するために、他の人に話をしてみるというのは非常に有効な手段です。
辛い気持ちは一人で抱え込まずに、ぜひ相談してみましょう。
どうしても無理だと感じたら再転職を検討する
世の中には、残念ながら本当に勤めるべきではないブラック企業も存在します。
もしかしたら、あなたが後悔している企業は真のブラック企業に該当してしまうのかもしれません。
もし、あなたが心身に異常をきたすほどの強いストレスを感じるようであれば、再転職を選択した方が賢明です。
早期退職がリスクになるのは事実ですが、無理をし過ぎて万が一うつ病などに罹ってしまっては、働くこと自体が困難になってしまいます。
・食欲が明らかに落ちた又は急激に増した
・疲れているのに寝つけない/途中で目が覚める
・理由もなく涙が出る
上記のような症状が出てきた場合には心身が限界サインを出しています。
「どうしても無理だ」と感じたときには、素直に再転職の道を選びましょう。
転職で失敗しやすい人の特徴5選
ここまで転職に失敗した事例や対処法をご紹介してきましたが、続いては「転職で失敗しやすいのはどんな人か?」という特徴を5つ挙げていきます。
耳の痛い話かもしれませんが、どれも自覚することで改善するできる項目ばかりなので、ぜひじっくり読んでいただきたいです。
転職すること自体が目的化している
「今の会社から逃げたい」「違う会社に行けばよくなるはず」と、転職することそのものが目的になっている人は、転職において失敗しやすくなります。
このマインドのままでは、何かあるごとに転職を繰り返す転職グセがついてしまう可能性もあります。
転職グセがついても若いうちはそれでも何とかなりますが、のちのち厳しくなることは確実です。まずは自分の転職が逃げの転職になっていないか、冷静に振り返ってみてください。
明確な基準を持たずに転職先を探す
自分の中に企業選びの明確な基準がない人は、転職で失敗しがちです。
企業を見るときの視点が定まっていないので、その企業の都合のいい面だけに気を取られて応募、転職してしまっているのではないでしょうか。
・絶対に○○の仕事しかしたくない
・残業は最大でも○○時間しかしたくない
・有給がある程度自由に取れる会社じゃなければイヤだ
誰でも好条件の転職を成功させたいのは確かですが、絶対にこれだけは譲れないという基準は人それぞれです。
転職するときには自分が絶対に譲れない基準を明確化しましょう。
自己分析が足りていない
自分自身に対する深堀りができていない人も、転職で成功するのは困難です。
・自分が得意な業務は何か
→それを活かせる仕事は何か
・自分が苦手な業務は何か
→克服する方法はないか、またはその業務を避けられる会社はないか
・自分の対人コミュニケーションにおける特性
→どんな人と合うのか、また合わないのか
転職しようとしている人は、業務経験を通してある程度自分の仕事の適性を理解しているはずです。
誰でも、新卒就職のときにはできなかった深い自己分析が可能になっています。いま一度、自分自身の良いところ・悪いところを整理して振り返ってみましょう。
相手先企業に対する情報収集不足
企業選びを慎重に行わない人も、転職でミスマッチに陥りがちです。
求人票には、基本的にきれいな情報しか書かれていません。
ネット社会の現代では、相手先企業で実際に働いていた人の口コミが読めるサービスなど、コアな情報を得る手段がたくさんあります。
toCの企業であればGoogleマップのコメント欄も参考になるでしょう。
また、面接の会場が実際のオフィスであればそこで働いている人の雰囲気などを確かめることも可能です。
転職する際にはありとあらゆる方法で相手先企業の情報を調べるようにしましょう。
内定がもらえると安心して妥協してしまう
転職する人は今の環境から抜け出したい一心で行動してしまい、焦りから転職失敗してしまうことがあります。
転職直前のメンタルというのは基本的にどん底状態です。
「自分はダメだった…」という気持ちを抱えて転職活動をしているのではないでしょうか。
人間というのは、落ち込んでいるときにちょっと優しくされただけでホロリと来てしまうものです。
転職活動でも同じことがいえます。
「こんな私に内定をくれたなんて素晴らしい企業に違いない!」と感じてしまい、よく調べず安易に入社を決断してしまうケースが多発しています。
一社から内定をもらったからと即決せず、慎重に入社先を検討しましょう。
再転職で失敗しないための5つのポイント
それでは最後に「転職先企業にはもう耐えられない、今すぐ辞める!」と決断した方に向けて、意識してほしい項目をご紹介します。
再転職でまた辛い思いをしないように、以下の5つのポイントを意識して転職活動を始めましょう。
①自分の中の軸を明確にする
転職をするときには、自分の中の判断基準をはっきりさせておくことが重要です。
5年先、10年先にどうなっていたいのかまでイメージし、自身のキャリアの軸を想定してみましょう。
・多少きつくてもいいからスキルアップできる環境に行きたい
・収入面で目をつぶってでも負荷の少ない仕事をしたい
働き方の軸は人それぞれです。
あなた自身が譲れない点、逆にここは我慢できそうだという点を書き出してみるのをおすすめします。
②自分の市場価値を改めて把握する
転職に失敗しがちな人は、自身の市場価値を理解できていない傾向があります。
あなたの本当の強みを理解し、その強みを活用できるような職場を探すことは転職活動において非常に重要です。
転職活動を始める前に自分の市場価値を改めて考えてみましょう。
・今までの業務経験の中で得られたスキル
・仕事をする中で身につけた専門的な知識
・これまでの業務を通して得られた実績
・働いているうちに自然とできるようになっていること
自分では「当たり前だ」と思っていることでも、実は市場価値の高いスキルである可能性もあります。
転職を検討中の方は一度大手転職サービスなどで「市場価値診断」を受けてみるのをおすすめします。
③転職先を選ぶときの優先順位を整理する
転職に失敗しないためには、自分自身の中で優先する項目をしっかりと定めましょう。
あなたが転職するうえで絶対に譲りたくない条件と、ある程度妥協してもいいという条件とを明確にしておくことが重要です。
・通勤時間
・給与・福利厚生
・業務内容
・職場の雰囲気
・実際の平均的な残業時間
・有給の取りやすさ、取得率
転職する際に気になる項目はたくさんあるものですが、すべてが理想的な会社と出会える確率は限りなく低いのが現実です。
例えば、上のリストの中でランキングを作ってみるだけでもかまいません。
まずは自分の中での価値基準を知っておくのをおすすめします。
④求人票の見方を覚える
企業が求人募集をする際に提示する「求人票」の正しい見方を覚えましょう。
大企業であれば会社四季報のように客観的な資料もありますが、そうでない場合には企業自体が発表している求人票から情報を読み取るしかありません。
いわゆるブラック企業を避けるためには、以下のような項目に注目してみてください。
・公表されている月給は基本給なのか、各種手当を含むものなのか
・「週休二日制」と「完全週休二日制」のどちらであるか
・「勤務スケジュールは当社カレンダーによる」には要注意
・セールスポイントが「やりがい」「成長できる」など抽象的な企業はブラック率が高い
・「若手が活躍中」をアピールする企業も人が定着しない職場の可能性が高い
明らかにまずい勤務条件の会社に応募してしまわないように「会社を見る目」を養いましょう。
⑤事前リサーチを入念に行う
①~④までの内容をクリアしたら、いよいよ自分に合いそうな転職先企業を探していくことになります。
以下の基準を意識して、転職先候補を絞っていきましょう。
・自分自身の転職上の軸に沿った企業を探す
・すべての希望を叶えるのは不可能と理解した上で企業を選ぶ
・あからさまなブラック企業を見抜いて候補から外す
・口コミ系サイトをチェックして実情を探る
・可能であれば実際に勤務している/いた人に話を聞いてみる
既に転職に失敗した経験を持つあなただからこそ、次の転職では同じ思いをしないように、入念に転職先候補の企業の情報を調べる必要があります。
ブレずに、かつ妥協せずに企業選びをしていきましょう!
転職失敗は人生の終わりではない!今後の行動に活かせばOK
一度や二度転職に失敗したからと言って人生が終了するわけではありません。
あなたにはまだまだ無数の選択肢が残されています。
いったん今の会社でスキルを積むのもひとつの手段ですし、それがあまりに苦しいようであれば再転職の道を探るのも間違いではありません。
人生という長いスパンでキャリア設計をし、必要であれば目標を達成するための再転職も視野に入れましょう!